せっかくスマートシューズORPHE TRACKを使って走るなら、しっかり取得したデータを自身のランニングに活かせないともったいない。そこでORPHE TRACKの活用方法として、前回は「データの理解」「改善の優先順位」「総合的な判断」という基本の3ポイントをご紹介しました。今回はこれを踏まえながら、より実践的な活用方法について取り上げます。

定期的なトレッドミルRUNでリアルタイム改善

多くの方はORPHE TRACKを屋外でのランニングに使用していることでしょう。スマホのGPS機能で走ったコースなども記録できますし、ペースや距離なども正確性が増します。何より、やはり自然の風を受けて走るのは気持ちいいもの。そういう私も、基本的には屋外ランニング派です。

しかしORPHE TRACKを活用するなら、ぜひ定期的にトレッドミルで走ってみてください。なぜなら屋外でのランニングとは違い、トレッドミルではスマホやタブレット等でリアルタイムのデータを確認しつつ走れるからです。今現在、自分の走りがどんな状態なのか。常に確認し、それに応じて修正を加えながらトレーニングできます。状態が改善すれば「この走り方が良いのか」と、身体にしっかり覚えこませることも可能です。屋外でのランニングでは走り終えてからデータを確認することになるため、細かく「どのタイミングでどんな状態になっていたのか」が分かりません。

また、トレッドミルは基本的にずっと同じ場所を走ります(勝手に足元のベルトが回転する)。そのため、アップダウンや地面の不安定さなどがランニングフォームに影響しません。外的要因からランニングフォームが崩れにくく、本来の自分の走りと向き合うことができるはずです。

ただしトレッドミルでのランニングは、慣れないとかえって上手く走れないかもしれません。あまりトレッドミルで走った経験のない人は、まず何度か利用して“いつも通りにトレッドミルで走る”ことに慣れるようにしてください。緊張して力んでしまったり、勝手に動くので前傾姿勢が取りにくかったりすることがあります。

動画を撮影してデータと動きを一致させる

鏡の前で走れない限り、トレッドミルではORPHE TRACKで分かる状態の変化について、自分の感覚と参照しながら改善に取り組むことになります。つまり、例えばストライドが狭いことがデータで分かったら、感覚的に「もう少し足を残るような感覚でヒールアップさせてみよう」など走りを軌道修正してみるわけです。

もちろん、これも有効な活用法と言えます。細かく走りを変えながらデータと参照させていくことで、「どう走るとどんな状態になるか」が身体で覚えられるでしょう。しかしさらに一歩進んでランニングフォームの改善に取り組むなら、走っている姿を録画してみてください。できれば前後左右の4方向(横は左右ずれかでも構いません)から全身を撮影します。

これはトレッドミルで長時間ずっと録画するのでも、屋外で数十m程度でも構いません。ただし屋外の場合は自然なランニングフォームで走っている姿が確認できるよう、スタート直後ではなく少し走った後に録画ポイントを置いてください。そして後からORPHE TRACKのデータを比較できるよう、そのポイントが「走り始めてから何mの位置か」も把握しておきます。

あとは録画映像を観ながら、ORPHE TRACKのデータと見比べるだけ。今度はトレッドミルのような感覚ではなく、客観的に視覚から「どんな走りでどんな状態になっているのか」を確認できます。恐らく多くの方は、自身のランニングフォームを客観的に見ることすらあまりないでしょう。例えば自分ではミッドフット走法のつもりでも、よく見ると踵から着地している…といったことは少なくありません。実際に私はパーソナルトレーニングで、ORPHE TRACKを履いてもらいつつタブレット端末で録画するという方法を採用しています。すると皆さん、まず「自分はこんな走りだったのか」「分かってはいたけど映像で見るとやっぱり」と驚きや納得を得られるようです。

ではそこから、何をどう改善すれば理想のランニングフォームに近づけるのか。プロネーションの角度や着地位置、上下運動、ストライドや関節部の可動域など。じっくり自身の走る姿を見ながらデータを参照すると、色んなヒントが見つかるはずです。

専門知見を持つ第三者からアドバイスを受ける

ORPHE TRACKで取得できるデータの種類は多岐にわたります。また、データの意味を理解していたところで、「何を改善すべきなのか」「どうすれば改善できるのか」が分からないという方は多いでしょう。そんな場合は、ランニングを専門とするトレーナーからアドバイスを受けることをおすすめします。

ORPHE TRACKのアンバサダーには、そうしたトレーニング指導を行っている方が少なくありません。私自身もそのうちの一人です。それ以外にもランニングの専門家であれば、データを見てもらうことで適切なアドバイスが受けられるでしょう。もちろん、中には「そういうサービスは行っていない」と断られるかもしれません。しかし真剣にORPHE TRACKをフル活用してレベルアップを図りたいなら、ぜひダメ元でも打診してみてください。指導者のいるランニングクラブに所属しているなら、クラブのコーチに相談するのでも良いでしょう。

逆に、なんとなくの理解で我流のトレーニングを行うと、かえってランニングフォームが悪化するなどの可能性もあります。自分で考えてみることは非常に大切ですが、必要に応じて活用してみましょう。最近はオンラインで指導を行うトレーナーも見られますので、居住地域に関わらず機会はあるはずです。

データを活用して目標を達成しよう!

ここまで2回に分けて、ORPHE TRACKの活用方法についてご紹介しました。恐らく「これは試していなかった」という気付きのあった方もいらっしゃることでしょう。いずれも、私自身がトレーニングや指導の際に取り入れている方法です。

データは取得するだけで満足しがちですが、それでは宝の持ち腐れになってしまいます。データは“見る”ものではなく“分析して活用する”もの。しっかりORPHE TRACKを有効活用し、ランニングフォームの改善や目標達成に役立ててください。

三河 賢文

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材·執筆·編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主催。マラソン大会の企画·運営にも携わる。

“運動できる”コワーキングスペース『Plus Fit』オーナー、ナレッジ·リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事。ORPHE TRACKアンバサダー。4人の子を持つ大家族フリーランス。