河川敷や公園、あるいは街中など。ランナーは実にさまざまな場所で走っています。トレーニング効果を最大化させたいなら、その場所に応じて適した練習内容に取り組みましょう。ここでは“周回コース”で走るメリットやおすすめの練習法をご紹介します。

周回コースのメリット4選

ランナーの中には、「ずっと同じ場所を回って走るのは苦手」という人も多いでしょう。何を隠そう、私自身もその一人。特にあまりペースを意識しないLSDやジョギングなどでは、周回コースだと飽きてしまいます。しかし後述するようなトレーニングでは、むしろ周回コースの方が適しているポイントがたくさんあります。具体的な周回コースのメリットについて、ここで4つ詳しく解説しましょう。

1. 周回毎に休憩・補給できる

周回コースでは、1周走るたびにスタート地点へ戻ってきます。そのため、適宜休憩や補給することが可能。わざわざ飲み物などを持たず、手ぶらで走っても問題ありません。特に暑い夏場などはこまめや水分補給が求められますので、脱水症などの危険回避という点からも大きなメリットになります。

2. 周回が細かな目標になる

周回数をカウントダウンしたり、周回毎に「次の周回までこのペースで頑張ろう」「あと1周だけ追加しよう」など目標を設定したりすることができます。ただ長く走り続けるだけでなく細かな目標を持てれば、長時間でもモチベーションを維持しやすくなるはずです。

3. 外的要因で止まることがない

公園などで通行人がいる場合は別ですが、周回コースでは信号や踏切で止まるといったことがありません。外的要因で止まらず走れることは、トレーニング効果を高めるだけでなく「走りたいのに止まらなければいけない」という精神的ストレスも軽減できます。

4. ずっと同じ場所を走り続けられる

当然のことですが、周回コースではずっと同じ場所を走ります。そのため、いきなり路面が荒れた場所に出るなど、トレーニングの妨げになるようなことがありません。また、例えば常にフラットなコース、あるいは逆にアップダウンの続くコースなど、自身の目的に応じたコース設定も可能です。私も目的別に、近所でいくつか以下のようなコースを作って走っています。

  • 「急な下り坂→緩やかなアップダウン→急な階段→平地」を繰り返す周回1kmコース
  • ずっと不整地を走り続けられる森の周回700mコース
  • ほぼ平坦で走り続けられる周回3kmコース

周回コースでおすすめの練習法

せっかく周回コースを走るなら、それに適したトレーニングを行いましょう。1周回毎の距離が決まっているため、特にペース維持が必要となる練習がおすすめです。具体的には、以下のような練習法で活用してみてください。

1. インターバル走

あらかじめ決めた距離について、休憩をはさみながら繰り返し走るインターバル走。ただ距離で考えるだけでなく、「何周を何回」と明確になるためモチベーションを維持しやすくなります。また、短い休憩でもこまめに給水等が行えるので、安心して追い込むことができるでしょう。

なお、同様の理由からしっかり休憩で回復させて走るレペティショントレーニング、1本集中して全力を尽くすタイムトライアルにも適しています。

2. ペース走

一定ペースを刻むペース走も、周回コースにおすすめの練習です。昨今はGPSウォッチが普及したため、ペース管理そのものは周回でなくとも容易になりました。しかし、基本的には1km毎のラップを知らせてくれるのみ。しっかりペース維持するには、よりこまめにペースを確認する必要があります。そのため、やや短め(400mなど)の周回コースを用いることで、ペースを微調整しながら質を高めてトレーニングすることが可能です。なお、これはペース走のほか、ビルドアップ走でも同様のことが言えるでしょう。

どんな場所で周回コースを走れる?

皇居周辺のランニングコース

意外と気づかないだけで、周回コースは身近に多くあります。代表例と言えるのが皇居ですが、約5kmの周回コースで大会などにもよく利用されている場所。恐らく、走ったことのある人は多いでしょう。ここを走る人たちが「皇居ランナー」と呼ばれるほど、東京都内ではランナーの聖地化しています。

代々木公園のランニングコース

そのほか、広めの公園でも周回コースを取れることが少なくありません。都内なら代々木公園や駒沢公園などが代表的ですが、私も自宅付近にはいくつか400~1500mほどの距離を取れる公園が点在。前述したようなトレーニングを行う際に、よく利用しています。

ランニングやウォーキングを推奨する公園には、距離表示が設けられていることも。これなら、たとえGPSウォッチがなくても効果的にトレーニングできるでしょう。0m地点をスタート&ゴールにして、ぜひ走ってみてください。

あるいは陸上競技場もおすすめの周回コース。利用料金は掛かりますが、多くは数百円程度のため大きな負担にはなりません。曜日・時間帯によってはシリアスランナーや学生などの陸上競技者も多くトレーニングしているので、きっといつも以上にやる気が沸き上がってくるでしょう。反発性の高いタータンの敷かれたトラックはスピードを出しやすく、周回400mという距離で1km単位の距離設定も行いやすい点もポイントです。

いつもと違う環境で走りたい。あるいは、しっかり追い込んだ練習に取り組みたいという方は、近くの周回コースを探してみてください。ジョギングがてら走り回り、見つけたコースで次回トレーニングする。そんな楽しみ方も良いのではないでしょうか。

三河 賢文

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主催。マラソン大会の企画・運営にも携わる。
“運動できる”コワーキングスペース『Plus Fit』オーナー、ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事。ORPHE TRACKアンバサダー。4人の子を持つ大家族フリーランス。