
マラソンランナーにとって競技力向上はもちろん、怪我の予防などの観点からも重要な筋トレ。スポーツジムに通わなくても、自宅などで行える効果的なトレーニングメニューはたくさんあります。そこで、マラソンランナーにおすすめの筋トレについて「上半身」「下半身」に分けて、詳しくトレーニングメニューをご紹介しましょう。
今回は「上半身」にフォーカスした5つのメニューです。なお、中には上半身と下半身を同時に鍛えられるものも含まれます。姿勢や手順を確認しながら、ぜひ実践してみてください。
目次
1. フロントブリッジ
いわゆる「プランク」と呼ばれるもの。腹筋をメインとした体幹部を鍛えられ、前傾姿勢や無駄のないランニングフォームの維持に繋がります。

手順
- うつ伏せの状態になります
- 両腕を肩幅に広げて上体を支え、両足を揃えて伸ばします
- そのままの姿勢をキープしましょう
ポイント
- 両腕の肘は90度を目安に曲げる
- 目線は手の辺りに落として後ろを覗き込まない
- 腰が曲がったり背中が沈んで弓なりになったりしない
- 頭から足までまっすぐな姿勢を保つ
2. マウンテンクライマー
腹筋やお尻の筋肉を鍛えられる、動的な体幹トレーニングです。同時に有酸素運動の効果も期待でき、短時間でしっかり負荷を掛けられます。

手順
- うつ伏せの状態で両手を床につきます
- 両足を揃えて伸ばします
- 右足を膝が胸の近くへ引きつけます
- 右足を戻して足を入れ替え、今度は左足を同様に引きつけます
- 左足を戻して足を入れ替え、これを繰り返します
ポイント
- 足がしっかり動かせるよう、しっかり上半身で身体を支える
- 目線は手のひらに置き、後ろを覗き込んだり前を向いたりしない
- 足の引きつけ&入れ替えを素早く行う
- 動作中は常に片足のみ地面につくようにする
- 腰が曲がったり背中が沈んで弓なりになったりしない
- 上下運動はできるだけ少なくする
3. ヒップロール
腹斜筋を鍛えるトレーニングです。腰回転がスムーズに行えるほか、ランニングフォームの安定性を高める効果が期待できます。

手順
- 仰向けに寝そべり、両手を広げます
- 膝を90度目安に曲げて足を上げましょう
- そのまま腰を捻り、両足を揃えたまま左に床すれすれまで倒します
- 足を真上に戻したら、同様に左へ倒します
- これを左右交互に繰り返してください
ポイント
- 両肩は地面から離さない
- 捻った際にあまり背中が浮かないよう維持する
- 反動を使わずにゆっくり動作する
- 目線は常に真上で維持する
- 足は力まず腹と腰で足を動かす意識で行う
4. デクラインプッシュアップ
肩から背中の中心部にかけた筋肉を鍛えるトレーニングです。ストレッチ等による柔軟性の維持と合わせて取り組めば、大きくダイナミックな上半身の動きが獲得できます。

手順
- 両足を揃えてベンチや椅子など台の上に置きます
- 両手を地面につけて腕立て伏せの姿勢を作りましょう
- 腕立て伏せと同じように、身体をゆっくり下げます
- しっかり身体を下げたら、地面を腕で押すようにして元の姿勢に戻ります
- これを繰り返しましょう
ポイント
- 手は広げずに行う(横広にすると背中ではなく胸部分に刺激が入る)
- 頭から足まで直線の状態を維持する
- 顎が床につく程度までしっかり下げる
- 身体を下げた際は肩甲骨を寄せるようにする
- 筋力レベルに応じて台の高さを調整する(高いほど負荷が上がる)
5. ヒップリフト
脊柱起立筋を中心とし、大殿筋なども鍛えられます。軸が安定し、効率的なランニングフォームの獲得に繋がるでしょう。

手順
- 仰向けで寝そべる
- 両手の平を下にした状態で脇を少し広げる
- 膝を90度に曲げて足を立てる
- 膝から肩までが一直線になるよう、お腹と背中を浮かせる
- ゆっくり元の姿勢に戻し、これを繰り返す
ポイント
- 目線は真上に向けて足側を覗き込まない
- 両肩と手のひら、足の裏は床につけたまま
- 反動を使わずにゆっくり動作する
- 大殿筋を持ち上げる意識で、その他の筋肉はリラックスさせる
おわりに
ここでご紹介した筋トレメニューは、いずれも自宅など限られたスペースで行えます。また、特別な道具を必要としない、あるいは身近なもので代用できるものばかりです。特にマラソンは“走る”という運動であるため、上半身の筋トレは軽視してしまう方が多いでしょう。しかし、より速く走りたいと考えている方は、ぜひここで取り上げた筋トレを実践してみてください。継続することで、動きの変化を実感できるはずです。