ランニングフォームの改善に取り組む際、よく耳にする言葉に「プロネーション」というものがあります。これは分かりやすく意味を解説すると、つまり「着地した際に足首が左右どちらに、どれだけ倒れこんでいるか」ということ。これによって、着地衝撃を足がどのように受け止めるか、また反発やその後の蹴り出し動作などが大きく変わってきます。

怪我の原因はプロネーションかも?ランナーが覚えておくべき「プロネーション」の基礎知識

このプロネーションは大きく分けて「オーバープロネーション」「アンダープロネーション」「ニュートラルプロネーション」の3種類あり、特に前者2つは傾向が過剰になると怪我を引き起こす危険が。そのため、ご自身のプロネーションがどのような状態か確認し、必要に応じて対策することは非常に大切です。ここでは、これら3種類の特徴·状態について詳しく解説していきます。

オーバープロネーション

オーバープロネーション
オーバープロネーション

オーバープロネーションは「過剰回内」と呼ばれ、足首からかかとが大きく内側に倒れこむようになっている状態です。アーチが崩れて着地した際の衝撃が緩和されず、さらに足首だけでなく足全体が内側に入りやすくなります。その結果、腸脛靭帯炎やシンスプリント、アキレス腱炎、偏平足などの原因になりかねません。怪我に悩まされるランナーの中には、このオーバープロネーションの状態が原因になっているケースがとても多く見られます。

偏平足の状態が見られれば、後脛骨筋(脹脛の深部にある筋肉)を鍛えると良いでしょう。例えばトレーニングチューブなどを使い、足首を内側へと“内返し”させるようなトレーニングが有効です。

アンダープロネーション

アンダープロネーション
アンダープロネーション

アンダープロネーションは「過剰回外」と呼ばれ、オーバープロネーションとは逆に足首からかかと部が外側へ倒れこんだ状態です。O脚の人などは、特にこの傾向が顕著でしょう。ハイアーチになりやすく、この場合にも上手く着地衝撃が吸収できません。また、例えば膝や股関節、腰などに怪我を引き起こす原因になります。

オーバープロネーションとは逆に、足首を外の側へと“内返し”させるようなトレーニングが有効です。また、例えばバランスディスクの上でスクワットトレーニングをしたり、片足立ちしたりすることで少しずつ状態が整っていきます。

ニュートラルプロネーション

ニュートラルプロネーション
ニュートラルプロネーション

簡単に言えば「まっすぐ」(実際には多少の倒れこみがあるケースがほとんど)な状態です。足裏全体でしっかり着地衝撃を受け止め、反発させて走ることができます。筋肉および関節部等への負担が少ないので、もっとも怪我を興しにくい状態と言えるでしょう。

ただしニュートラルプロネーションだからと言って、100%怪我が起きないわけではありません。怪我にはプロネーション以外にも原因があるほか、地面の状態や筋疲労などでプロネーションが崩れてしまう可能性があります。

まずはプロネーションの状態を確認

プロネーションの歪みは立位だと分かりにくく、歩行·走行時に傾向が強く出ることが少なくありません。そのため、走っている際に真後ろから足元を動画で撮影したり、第三者に見てもらったりして、ご自身の状態を確認しましょう。裸足になると、より足首からかかとにかけて状態が見えやすくなります。あるいはORPHE TRACKでは、走行時の取得データからプロネーションの状態をイラストと角度で確認可能。定期的にデータチェックすれば、改善の程度が見えてモチベーションアップにも繋がるでしょう。

まずはプロネーションの状態を確認

一部「オーバープロネーション」「アンダープロネーション」の改善方法もお伝えしましたが、その他にインソールの入れ替えもひとつの方法です。オーダーメイドで足の状態に合わせたインソールを制作してくれるサービスもありますので、必要に応じて利用してみてください。

三河 賢文

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材·執筆·編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主催。マラソン大会の企画·運営にも携わる。

“運動できる”コワーキングスペース『Plus Fit』オーナー、ナレッジ·リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事。ORPHE TRACKアンバサダー。4人の子を持つ大家族フリーランス。